アパタイト

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アパタイト

アパタイト

英名:Apatite
モース硬度:5
比重:約3.1-3.3程

アパタイトとはどんな石?

アパタイトは透き通る空色の宝石ブルーアパタイトとして多く流通している石です。肌触りは石独特のキンキンに冷えた感じではなく、どこか優しい感触と惹きつける魅力のある色にファンの多い鉱物です。アパタイトは多色なので、青色以外にも黄色や緑色なども存在します。アパタイトは宝飾品以外にも、歯磨き粉ファンデーションなどの化粧品の成分表示でも目にしたことがあるのではないでしょうか。生物のの主要成分にリン酸カルシウムの一種である「ハイドロキシアパタイト」があるように、アパタイトは体内にも存在する意外と親しみのある鉱物です。歯のエナメル質はほとんどハイドロキシアパタイトで構成されています。アパタイトの名前の由来はギリシャ語「惑わす」。なぜ「惑わす(アパーテー、アパトー等)」という由来なのかは、アパタイトは採掘時に他の鉱物と酷似して見つかり、結晶の形や化学構成が異なる変種も多いためと言います。ディプロドクス科の大型草食恐竜の一種「アパトサウルス」(和名で「雷竜」と呼ばれていた恐竜)も、骨格が酷似した他の恐竜がいることから「アパトサウルス(惑わすトカゲ)」と付けられています。アパタイトは和名を「燐灰石(りんかいせき)」。世界中で産出する鉱物ですが、その割に価格が高いのは宝石レベルの綺麗な色や透明感、大きさを持つアパタイトの産出は実は非常に少ないためです。アパタイトは植物の発育に必要なリンを多く含む鉱物のため、農業・園芸用の肥料や土にアパタイト質の石が配合されています。

含まれる成分のお話

アパタイト

アパタイト質の石

上記でも少し記述しましたが、リン酸カルシウムの一種「ハイドロキシアパタイト」は生物の骨や歯を形成する主成分となります。歯のエナメル質は実に約97%がハイドロキシアパタイトで構成されています。骨以外では唾液にも含まれます。エナメル質の補填のために一部の歯磨き粉に配合されています。ここでは商品名は出しませんが、アパタイトを意識した名称が付いていたりします。また、アパタイトの成分は吸着力物質を強固にする性質があり、実際の骨と成分も似るため、医療用人工骨にも使われています。また、リンのオキソ酸の一種であるリン酸は肥料の三要素として窒素とカリウムとともに土や肥料に配合されます。リンは植物の光合成に必要な成分であり、不足すれば植物が枯死することもあり、特に果実栽培でリンは重要視されています。

性質

フローアパタイト

黄色を示すフローアパタイト

アパタイトは肌に貼り付くような優しい質感を持つ鉱物で、水晶系の石のような冷感はありません若干重みを感じる程よい比重骨を形成する成分を持つためか、手にした時に親しみすら感じる不思議な感覚を持ちます。その割に青色や黄色を持つアパタイトは、とても鮮やかな色を演出します。キャッツアイ効果を示すものもあり、「キャッツアイアパタイト」の名称で販売されています。その鮮やかな色が人気でブレスレット用にビーズ状に加工されているものも多いですが、擦れに対する耐性であるモース硬度は5を示しており、実際には同じモース硬度5の石よりも若干表面が削れやすい一面があります。ブレスレットの場合は石が直接肌に触れたり、腕時計と併用したり、利き手側であれば机などで擦ってしまうこともありますので、アパタイトのブレスレットはやや常用が難しいです。ネックレスやブレスレットの作成でアパタイトを使う時は、その鮮やかな色を利用してワンポイントとして使っていくのがお勧めです。

パワーストーンの意味は?

アパタイト

アパタイトのパワーストーンとしての意味は、その鉱物の性質を活かした意味が多く語られています。アパタイトは吸着力に優れ、結合した物質を強固にする性質があるため、アパタイトのパワーストーンの意味で言われるのが「絆」の意味です。夫婦、友人、家族、恋人、チームなどの「絆」を深める「協調」を促すといった意味を持ちます。アパタイトは質感や色に癖がなく、石自体が親しみやすいため、初めてパワーストーンに願いを掛ける場合でも、すぐに石と仲良くなれるような雰囲気があります。「絆」の石としてぴったりです。アパタイトは良縁を「結び、繋げる」意味もあります。宝飾品に向くアパタイトの色は、青色や淡い水色、黄色、緑色などの色であるため、拒絶感のない優しくも鮮やかな色は人の目を引きつけます。また、歯や骨の成分であり、植物の成長に必要なリン酸を含んでいるための由来か、子供の「発育のお守り」としてアパタイトが使われることがあります。

効果のキーワード

  • 協調
  • 結び・繋ぎ
  • 発育のお守り

お手入れ・浄化

アパタイト

アパタイトは軟質の石です。表面が削れやすく、原石の場合は割れ目からポロポロと崩れてしまうため、取り扱いには注意が必要です。アパタイトのブレスレットは多く出回っていますが、軟かいためアパタイトをブレスレットで使用するのはやや難しいです。なるべく腕時計や他の硬い石のブレスレットとの併用は避け、アパタイトブレスレット単体で利き手と逆の方での使用をお勧めします。また、この石は水や日光、塩は変色や変質の原因となり苦手なので、浄化は月光浴や水晶チップの上に置く浄化が良いです。

撮影のポイント

アパタイトは思ったより鮮やかです。アクアマリンやブルーレースアゲートのような薄い青い石は撮影時の色表現にやや難ありですが、濃い色のアパタイトであれば青色の石を表現しやすいです。なので、アクセサリーを作る場合では目立つところに濃いめのアパタイトを配置すると、後で撮影しやすいです。ただし、不自然な色にならないように調整はします。もしキャッツアイが出ているアパタイトを撮影する場合は、光の加減と角度を調整して、キャッツアイが出ていることを表現します。

撮影機材

PENTAX K-70
smc PENTAX-D FA MACRO 100mmF2.8 WR

ごあいさつ

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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