アイオライト

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アイオライト

アイオライト

英名:Iolite
和名:菫青石(きんせいせき)
モース硬度:7-7.5
比重:2.5-2.7程度(水晶が2.7)

アイオライトとはどんな石?

アイオライトは濃い青紫色や淡い青紫色、所謂すみれ色を持つ清涼感のある天然石です。青い透明色の良質なものはサファイアの代用品として「ウォーター・サファイア」の名称が付けられています。有名な伝説では、航海に出るバイキングはアイオライトが日差しの当たり方により色を変えることを利用して船の位置を示す指標として、羅針盤の針にアイオライトを使用したことから「バイキング・コンパス」という名称も持ちます。この様に素敵な名称をいくつか持つアイオライトですが、「アイオライト」は宝石名。鉱物名は「コーディエライト」といい、販売店により時々この名称で販売されています。ちなみに、石の断面が見事な桜の花びらの様な模様に見える、天然記念物で菅原道真も好んだという「桜石」はアイオライトの仲間です。アイオライトの結晶が雲母に変容していくと桜石になります。色を変えたり、変容して全く違う姿を見せたり、伝承も多いことや、何より「道しるべ」となる意味を持つことなどから、アイオライトはしばし歌詞や曲名にも多く使われている宝石です。

含まれる成分のお話

アイオライトはケイ酸塩鉱物(サイクロケイ酸塩鉱物)です。同じサイクロケイ酸塩鉱物の石の仲間では、アクアマリン等のベリルやスギライトなどがあります。サイクロケイ酸塩鉱物に括らずケイ酸塩鉱物で見れば、より多くの鉱物があります。アイオライトは他にも、マグネシウム[Mg]アルミニウム[Al]が主な成分です。アルミニウムは生活上多く目にする金属ですが、他の石では宝石で有名なサファイアやルビーにも含まれています。マグネシウムは合金で工業製品での使用のほか、人体にも必須ミネラルとして、骨の形成、血圧調整、エネルギー生産、筋収縮など重要な役割を担っています。

性質

アイオライト

レインボー効果付きアイオライト

アイオライトはバイキングの伝説からも伺える、「光の当たる角度で多色に見える」という性質があります。基本は青紫色、群青色の様な色ですが、一部分が黄色や茶色、白色等に見えたり、クラックが入っていればレインボー効果が見え、希少な「ブラッドショットアイオライト」はサンストーンの様な赤い粒状の輝き(アベンチュレッセンス効果)が内側から現れます。一つの石で多色性を楽しむことができます(※個体差は有り)。光の波長の特定の波長域を多層膜コーティングにより選べる「ダイクロイックミラー」や「ダイクロイックフィルター」の「ダイクロイック(Dichroic)」より由来し、多色性を持つアイオライトは「ダイクロアイト(Dichroite)」という別名も持っています。アイオライトは、名前が複数ある実に面白い天然石です。

パワーストーンの意味は?

 

アイオライト

アイオライトが人生の「道しるべ」になる、「目標の道筋立て」をサポートしてくれる、「海に関する旅のお守り」という多く語られる意味は、やはり「アイオライトとバイキングの羅針盤」の伝説が大きく影響していると考えます。今の時代の様にGPSも無い太古の昔に、アイオライトで作られた羅針盤を持ったバイキングが迷わずに目的地に向けて航海をしてこれたという実用を兼ねた天然石の利用がパワーストーンとして語り継がれていったとも言えます。元々アイオライト自体、清涼感のある色の効果も相まって、触った質感も冷感がある石です。なので、水や海との相性が良いと言ったところでしょうか。その関係か、波打ち際の透き通る海辺の様な模様を持つラリマーとは相性の良い石として組み合わせアクセサリーも数多く販売されています。また、見る方向により色を変える性質と多色性は「変容」を意味し、「新しいことをして変化をする目的立て」として最適のお守りと言えます。色の効果で見ると、すっきりとしたスミレ色は「思考の明瞭化」と「静寂や鎮静」の効果といった青色の持つ良さが現れています。

効果のキーワード

  • 道しるべ
  • 目標の道筋立て
  • 旅のお守り(主に海に関する場所)
  • 変容
  • 明瞭化
  • 静寂・鎮静

お手入れ・浄化

アイオライトは若干日光が苦手です。紫外線により褪色の可能性があるためです。浄化の際は、太陽光での浄化は避けるか短時間で済ませる様にし、他の浴水浄化や月光浴浄化などの基本的な浄化方法は行うことができます。硬度は7以上あるため擦れには強めですが、元々表面内部にヒビが多い石です。ブレスレットやストラップでの使用で、衝撃が加わりやすい状態になる場合はご注意ください。

撮影のポイント

基本はスミレ色のアイオライト。アイオライトは質の高いものは、半透明色ですみれ色や黄色が複合した複数の色が見る方向により変わります。色や内包物に個体差が出やすい石です。アイオライトらしいスミレ色のものをはっきりと写し出すもよし、色の境を写すのもアイオライトとしての特徴を出すことができます。ブラッドショットなどの内包物を撮りたい時は、石表面ではなく内包物にピントが合う様にすると内包物がよく見えます。

ごあいさつ

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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