アクアマリン

アクアマリン

目次

アクアマリン

アクアマリン

英名:Aquamarine
モース硬度:7.5-8
比重:約2.6-2.8程

アクアマリンとはどんな石?

宝石として多くの装飾品となり、3月の誕生石として有名、その名の通り「海の水」を表すような水色の宝石アクアマリン。アクアマリンはベリリウム[Be]を含む六角柱状の石ベリル(緑柱石)の一種で、四大宝石の一つ緑色のエメラルド、ピンク色のモルガナイト、黄色のヘリオドール、白色・透明色のゴシェナイトなど多くの仲間がいます。ミックスベリルという名称で、アクアマリンも含むこれらの緑柱石の仲間を集めた商品としてブレスレット等が販売されていることがあります。緑柱石の一種ですが、アクアマリンは色にちなみ和名を「藍柱石(らんちゅうせき)」と呼びます。

含まれる成分のお話

アクアマリンはベリルの一種です。ベリルの主な成分にベリリウム[Be]とありますが、どのような物質でしょうか。
1797年にフランスの化学者ルイ=ニコラ・ヴォークランが緑柱石からベリリウム酸化物の分離に成功し、口に含んだところ甘味があることから「グルシニウム」と命名、後に1828年に2人の化学者フリードリヒ・ヴェーラーとアントワーヌ・ビュッシーが独自にベリリウムの単離に成功し、石のベリル(緑柱石)から「ベリリウム」と名付けました。上記の化学者ヴォークランがベリリウム酸化物を口に含むと甘いという記録はありますがベリリウム酸化物は毒性があるため、まず日常生活上で目にすることはないけれどベリリウム酸化物やベリリウム単体を絶対に口に入れてはいけません。産業においても製品の製造の際に発生するベリリウムの「粉塵」が肺に影響するため、近年ではベリリウムを含む蛍光灯の製造が廃止されたりと、ベリリウムの産業利用は少なくなってきています。しかしベリリウムは便利な一面もあり、ベリリウムの主な産業利用は「ベリリウム青銅」という銅とベリリウムの合金です。この合金は、強度が高く火花が飛ばない性質があるため防爆工具に使用されたり、伝導性が良いため多くの電気部品に使われています。これらの特製を利用して、宇宙産業など過酷な環境の開発材料として使われています。
ベリリウムは酸化物や単体では毒性の金属元素でありますが、アクアマリンを含むベリル(緑柱石)の仲間はケイ酸塩鉱物です。ケイ酸塩は水晶の成分である二酸化ケイ素と金属酸化物から成る塩で地殻に多く存在します。そのケイ酸塩とベリリウムが結合しているため、ベリルをむやみに研磨したり粉砕して粉状にしたものを吸入でもしなければ、多くのアクセサリーに加工されているアクアマリンやベリルの仲間の鉱物をブレスレットなどで身につけても問題はないと言われています。もちろん、最終製品として出回っているベリリウム青銅で作られた工具などを使っても問題ありませんベリリウムは「粉塵」の吸入が危険なため、むやみに個人的な研磨加工は避けておきましょう。

性質

アクアマリン

アクアマリンは原石では柱状の形をしています。モース硬度が高いので擦れに対する強度は強いです。アクアマリンは知名度が高く、宝石のイメージが強い石なので、「透き通った青色の綺麗な石」という認識が多くありますが、天然石ショップなどで半貴石として売っているアクアマリンは、内包物が入っていたり、色味も淡い青色(水色)からブルーグリーン、茶色、色が混ざったまだらのものなど複数見られます。一般的には、青色が鮮やかに出ている透明感のあるアクアマリンが高品質と言われていますので、白み掛かったものや内包物の入っている個体は安価に手に入りやすいです。

パワーストーンの意味は?

アクアマリン

アクアマリンは名前や色から連想するように非常に「水」や「海」と関わりの深いパワーストーンです。この石は水辺から産出されるわけではありませんが、紀元前3世紀頃から「航海のお守り」として願掛けをされてきたパワーストーンです。鉱物なので土の中から発見されますが、母石から柱状に伸びる透き通る淡いブルーの石はさぞ古代の人々を魅了したのだと思います。アクアマリンと人間との関わりの歴史も古いため、「海の精霊」や「人魚の涙」(「人魚の涙」と称される石は他にもあります)、「海の水が結晶化した」、「海に還すと溶けてなくなる」と言った多くの伝説や伝承もある石です。「水」に関する、旅行(船旅、海辺、川辺、湖など)、漁師や船舶関係などの職業のお守りのパワーストーンとしてはアクアマリンが最適です。他に「水」の性質から考えられている意味として、水は注がれた場所により柔軟に形を変えることから、「柔軟性」の意味と、嫌なことや怒りを「水に流す」という言葉にあるように、アクアマリンにもそのような意味が込められています。また、水の流れやさざ波に癒されるように、アクアマリンにはヒーリング効果があり、心穏やかにする効果があります。それには、青色は最も好まれている色といい、空や海の色であり、アクアマリンを触った時の程よい冷感がそのような効果を生むのだと考えられます。

効果のキーワード

  • 水難事故避けのお守り
  • 旅のお守り(主に船旅)
  • 柔軟性
  • 癒し
  • 穏やか
  • 「水」との深い関係
  • 水に流す

お手入れ・浄化

アクアマリンは比較的に取り扱いやすい石です。擦れにも強く、割れにもそこそこ強い石です。紫外線だけは褪色の原因となるため日光浴は避けますが、他の浄化方法であればOKです。アクアマリンは「水の石」と言われているので、流水での浄化は相性良しです。汚れも邪気も「水に流し」ましょう

撮影のポイント

アクアマリン

アクアマリンは半透明の淡い青色なので、表現が難しい石です。アクアマリンの個体によって、青寄りや緑寄り、茶寄りなど微妙に色が違いますので、アクアマリンをまとめて写すときは、なるべく皆近い色で揃えた方が色味を調整しやすいです。背景色もいくつか試してみて、しっくりくるものを探します。

撮影機材

PENTAX K-70
smc PENTAX-D FA MACRO 100mmF2.8 WR

ごあいさつ

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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