オブシディアン
目次
オブシディアン
英名:Obsidian
和名:黒曜石(こくようせき)
モース硬度:5
比重:約2.3-2.4前後(水晶が2.7)
オブシディアンとはどんな石?
オブシディアンは、火山活動により生まれる天然ガラスです。天然ガラスというと他には、隕石の衝突時の熱で生まれるモルダバイトなどのテクタイト類や近年発見されたアンダラクリスタルも天然ガラスの一つだと言います。オブシディアンは一般的には漆黒の色をしており、光をかざすとムーンストーンのようなシラー効果(鉱物内部の層間での反射効果)が見られるものがあるもので、薄いものは半透明な黒色にも見えます。シラー効果が虹色であればレインボーオブシディアン、金色であればゴールデンオブシディアン(ゴールドオブシディアン)と名称が付きます。前回の記事で取り扱ったミッドナイトレースオブシディアンもオブシディアンの一種で、半透明の茶色または黒色をしており、レース状の模様を内包しています。他にも、スノーフレークオブシディアンといった黒地に灰色の斑ら模様のオブシディアンもあります。オブシディアンは天然ガラスという関連なのか、ガラスの人工石にも「オブシディアン」の名称がつくことがあるため、購入時は確認しましょう。
含まれる成分のお話
オブシディアンに含まれる主な成分は、二酸化ケイ素[SiO2]と酸化カルシウム[CaO]です。二酸化ケイ素は水晶、アゲートなど多くの鉱物に含まれている成分です。酸化カルシウムは「生石灰(せいせっかい)」とも呼ぶ、化合物です。酸化カルシウムの主な工業用品は、セメント原料、ガラス副原料などです。水を加えると発熱し、水酸化カルシウムを生成する反応を示すことから、乾燥剤や防災用品などの非常用発熱剤にも使われています。オブシディアンは天然ガラスであり、火山性鉱物で「火」の要素を持つと言われる所以は、成分の種類や性質からも考えられますね。
性質
オブシディアンは天然ガラスです。割れやすく、貝殻状に割れ、割れ口も鋭いという特徴があります。もともとオブシディアンは割れ口の鋭さを利用し、古代の武器や刃物として、槍の先などに使われていた歴史があり、オブシディアンが割れた場合は怪我をしないように十分に取り扱いを用心する必要があります。アクセサリーにする際は、製作中や身につけた時に割らないように注意が必要です。ビーズを連でまとめ買いした際にも、流通の過程で割れる個体が少なからず出てくるため、割れている個体に気をつけて作業をしましょう。シラー効果のあるものは、ビーズの場合、色味に個体差があり、緑色のようなものや、桃色のようなもの、虹色まで様々です。加工もしやすいため、彫り物として販売されることも多く、その場合はシラー効果や含まれる模様が楽しめます。比重が水晶より軽く、持ってみると見た目に反した意外な軽さを実感できます。最近は矢じり型に加工されたアクセサリーが人気です。
パワーストーンの意味は?
オブシディアンの意味は、武器や刃物として人類に使われていた歴史も古く長くため、停滞した状況や変わろうとする運命を「切り開く」意味合いを強く持ち、武器の象徴として「男性」をイメージし、能動的や外向きの活動、仕事運や勝運を連想させます。また、「断ち切る」という意味もあり、悪縁や悪習慣、負の思考を遮断するといい、「武器を持つ」という意味で自分の想念や感情、持ち味を強化、増大や増幅する意味も考えられます。それに加えて黒色をした石であるため、「魔除け」や「グラウディング」を意識させるため、オブシディアンが効果の強いパワーストーンである話がよく持ち上がるのは、このようなことから考察できます。よく磨けば光沢が出やすいため、古代より鏡として使われてきた歴史もあります。なので、「真実を映し出す」という意味も含まれるのだと考えられます。漆黒の色をしており、効果の種類も多く、効果も強力であるため、よく上級者向きの石と呼ばれることがあります。この石と人類との歴史も深く、物質上の実用、もしくは願掛けにおいて、効果を示してきた石とも言えます。この石との付き合いは、恐れを持たず、真摯に向き合うこと。ただし、自他に刃を向けないこと。
効果のキーワード
- 魔除け
- 増大・増幅
- 武器
- 仕事運
- 勝運
- 男性
- 真実を映し出す
- グラウディング
お手入れ・浄化
パワーストーンとしてオブシディアンを考えると、効果の強い石であり、魔除けや他と染まらない黒色をしており、火山性天然ガラスということで魔を焼き払う意味の「火」の要素を持ち、自浄作用は水晶以上とも言われる場合すらあります。そのため浄化頻度はそれほど必要ないとは言いますが、1ヶ月に一度は浄化をすることをお勧めします。若干、塩は質が変質する恐れがあるため、短時間か避ける方が良いです。「火」の要素を持つため、太陽光は相性が良いです。月光浴、水晶さざれや水晶クラスター、音叉、セージでもOKです。ちなみに、植物浄化はオブシディアンの「火」と植物の「木」を一緒にすることになり、相性は良くありません。
撮影のポイント
レインボーオブシディアンのシラー効果 日輪の様に輪状に虹が見える特徴がある
黒い石は他にもオニキスやモリオン、ブラックトルマリンなど種類も多いです。原石であれば種類はわかりやすいですが、ビーズ状になった場合は写真上では区別が付き難いものもあります。オブシディアンはシラー効果や模様のあるものが見られるため、ブレスレットなどの作品にした場合は、シラー効果が見えるように撮ると、オブシディアンを含む作品ということがわかりやすくなります。
関連する石
ごあいさつ
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
2018年02月13日 記事追記しました。(レインボーオブシディアン画像追加)