ブラックトルマリン(ショール)

ブラックトルマリン

目次

ブラックトルマリン(ショール)

ブラックトルマリン

英名:Black Tourmaline (Schorl)
和名:鉄電気石(てつでんきせき)
モース硬度:7-7.5
比重:約3(水晶が2.7)

ブラックトルマリンとはどんな石?

ブラックトルマリンは結晶を熱すると電気を発生させるトルマリン(電気石)の一種で、トルマリンの中でも最も多く産出する天然石です。トルマリン類は宝飾品としてだけではなく、マイナスイオンを発するとして健康器具や湯船などにも使用された石で、一度は名称を聞いたことのある石ではないでしょうか。トルマリンは多色で透明感のあるカラフルな色合いが宝飾として人気の石で、有名なものだとインディゴライトやルベライト、宝石レベルになるとパライバトルマリンが有名です。しかし、ブラックトルマリンは透明感は無く漆黒で、鉄を多く含むため重量感があり、装飾品用に加工されたブラックトルマリンは表面に無数の傷が入りやすく、一昔前は「宝石としての価値は無し」と言われ、「不要な石」を意味する言葉である「ショール」という別名つけられてしまいました。現代では、ブラックトルマリンは多く産出し、価格も安く、健康効果が見直されてきているため、注目を浴びるようになりました。健康効果を求める方や愛好家に好まれ、アクセサリー用の加工品も増えてきています。

含まれる成分のお話

ブラックトルマリン

ブラックトルマリンは他のトルマリンと異なる点は、鉄を主成分としています。鉄は無論誰もが認知している金属です。様々な生活用品の他に、人体を含む生物にも含まれています。鉄を含む鉱物は、見た目でわかるヘマタイトやパイライト、ハイパーシーンなどが有名ですが、微量として内包物として含まれたり、鉱物が赤色や黒色に発色する一因として鉄分が関与している場合があります。地球の地殻の中で4番目に多い成分は鉄であるため、鉄を含む鉱物の種類が多いことが伺えます。鉄が主成分の鉱物が健康面のパワーストーンとして考えられるのは、おそらく石に含まれる鉄分と体内の血液循環を関連していると思われます。

性質

ブラックトルマリンは上記で記したように、鉄分を多く含みます。原石では一部が錆びているものなどがあります。アクセサリー用に表面が加工されていれば、錆びは目立ちませんが、水濡れや保存状況などにより、徐々にビーズ穴付近から赤い錆び粉が出てきたりします。塩害や湿気を帯びる状況を避けることが重要です。健康用品で湯船に入れるタイプのものは使用後は軽く洗い、よく乾かしましょう。原石は柱状になっているのが特徴の石で、原石は置き方次第でディスプレイして楽しめます。ブラックトルマリンはアクセサリー用のもの、特にブレスレットなどの製作に使うビーズは、どうしても細かな傷が入りがちです。無傷のものはほとんどありません。作る作品に対して、石の傷が気になる場合は使用に向きません。またブラックトルマリンのアクセサリーを販売する場合は、そのようなものであると説明することをお勧めします。しかし、傷の性質も悪い面ばかりではなく、この性質を同じ黒い色の石を見分ける際に利用することもできます。また、電気石の名を持つのは、結晶を熱することで微量の静電気を発生させる性質があり、圧電効果焦電効果を持ちますが、発電をするほど強力なものではありません。

パワーストーンの意味は?

ブラックトルマリン

ブラックトルマリンをパワーストーンとして考えてみるとどのような意味が含まれるでしょうか。やはり、電気を帯びる特性はパワーストーンの効果としても「良いものを引き寄せる」意味合いで捉えているようです。静電気を帯びると、物質で言えば不思議と細かな塵などが吸い付くのを下敷きやテレビ画面の表面などでみることができますが、このような性質から目には見えない良きものを呼び寄せると考えたのでしょう。この性質の反作用と魔除け効果の高い黒色から「悪縁を遠ざける」という意味も取れるようです。鉄分を多く含むブラックトルマリンの比重は3と重く、水晶の2.7と比べると重い石であるとわかります。重い石は地球とつながる碇の役割があるといい、グラウディングの効果があり、心身の安定・バランスをとる効果があります。一世を風靡した健康用品としてトルマリン類がマイナスイオンを発し、健康増進に良いという話は、現在は科学的根拠はないとされています。それでも、他のトルマリンよりもブラックトルマリンが健康運に良いとされているのは、上記の成分でも記述した鉄分を主成分に持つことから考察し、生命力に例えられる血液に力を与え、心身を活性化させるような意味合いを捉えていると考えられます。

効果のキーワード

  • 良いものを引き寄せる
  • 悪縁を遠ざける
  • 健康運
  • 生命力
  • グラウディング
  • バランスをとる

お手入れ・浄化

ブラックトルマリンは水分と塩分は錆の原因となるため、洗う程度であればすぐに乾かせばOKですが、水に漬ける状態や塩による浄化は避けて起きます。持ち歩かない標本の原石は、保存状態により錆を生じやすいため、できれば押入れなどに保存しないようにします。時々状態を確認することをお勧めします。浄化方法は劣化の一因となるため日光浴は向きません。月光浴、セージ、水晶さざれ、水晶クラスターなどがお勧めです。

撮影のポイント

柱状の原石は、角度によって表情を変える面白い石です。ブラックトルマリンはガラス光沢があり、光の反射で柱状に伸びた結晶を表すことができます。アクセサリーの場合は、性質の細かな傷も見せ方によっては特性を表す指標となったり、石の種類の判別に使います。あえて表面の傷を石の表情として写してみるのも面白いです。ブラックトルマリンのアクセサリーを作成し販売する場合は、傷の性質を説明するために、写真を用意するのも良いかもしれません。

ごあいさつ

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

前の記事

オブシディアン

次の記事

インペリアルトパーズ