インペリアルトパーズ

インペリアルトパーズ

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インペリアルトパーズ

インペリアルトパーズ

英名:Imperial Topaz
和名:黄玉(おうぎょく)
モース硬度:8
比重:約3.5(水晶が2.7)

インペリアルトパーズとはどんな石?

皇帝(Imperial)」の名を持つ、トパーズの中でも褐色のゴールドカラーに発色したものを呼びます。トパーズは11月の誕生石として、贈り物としても人気があり、広く認知されている天然石の一つです。トパーズは、アルミニウムとフッ素、水酸基を含む珪酸塩鉱物です。一般的によく流通しているトパーズは淡い青色のブルートパーズですが、他にもトパーズはホワイトトパーズやピンクトパーズ、近年では水晶を加工して作ったアクアオーラのように蒸着加工を施したチタニウムコーティング宝石であるミスティックトパーズというものまで登場しています。その中でも、このインペリアルトパーズは特に人気のあるトパーズの種類です。トパーズは古代より宝飾やパワーストーンとして使われている人類との歴史がある石で、紀元前の古代ギリシャ時代より関わりがあり、その当時はトパーズとペリドットは混同していたため、現在は閉山しているペリドットの名産地の名前は「トパズィオス島(現ザバルガート島(英名:セントジョーンズ島))」と言います。この島のある海域(エジプト南部スーダン国境付近の紅海)は濃霧に見舞われることが多く、当時の航海技術でトパズィオス島を目指すことが困難であったので、ギリシャ語で「探し求める」を意味する「topazos」が島の名前と石の名前の由来になった説もあります。

含まれる成分のお話

トパーズには、水酸基(OH)フッ素(F)が含まれていますが、これらの元素はトパーズの分類分けに重要な意味を持ちます。水酸基はヒドロキシ基(ヒドロキシル基)と呼び、構造式は「-OH」で表されます。フッ素(F)は歯科治療で虫歯の予防に使われる他、歯磨き粉に含まれていたりと、歯科に関するところで耳にすることの多い元素です。このどちらかの物質が優勢かで、トパーズの分類は「OH-type」と「F-type」に分かれます。「OH-type」は、退色しにくく発色が強いことが特徴で、今回紹介するインペリアルトパーズはこの「OH-type」に属します。「OH-type」の方が産出が少なく高価な場合が多く、人気のインペリアルトパーズやピンクトパーズ、シェリーカラーのトパーズはこちらに分類される場合が多いです。ただし、有色のトパーズ全てが必ずしも「OH-type」の分類とは限りません。ちなみに「F-type」は、大半のトパーズがこちらのタイプなので、産出が多く安価ですが、発色が弱く、紫外線などが原因で簡単に色が抜けてしまうので、照射処理によって発色をさせていることが多いです。なので、天然石ビーズのように大量に生産を要する場合は、無色や淡い色のトパーズを照射したものが多く流通しています。

性質

トパーズは擦れに対する耐性(モース硬度)は水晶より硬く、ルビーやサファイアより柔らかい、10段階のモース硬度では硬い部類に入る「8」を示す石です。同じ硬度「8」の石はカットが綺麗なブラックスピネルで有名なスピネルが似ている硬度を持っています。ただし、これはあくまでも擦れに対する耐性の指標です。インペリアルトパーズを含むトパーズ類は、内部にクラックを生じている場合が多く、透明度の高いものであればその様子を見ることができるぐらい、内部にヒビのようなものが見られます。それは、特定方向に割れやすい「劈開(へきかい)」の性質を持つためです。なので、衝撃を与えると石そのものを破損する可能性があるため、特にアクセサリーにした場合は注意しましょう。内部クラックが多いことも悪いことだけではなく、クラックの隙間からレインボー効果が覗いているものもあるため探してみると面白いです。インペリアルトパーズは、石自体が希少なため多くはルースや指輪といった宝石として加工されていることの多い石です。

パワーストーンの意味は?

インペリアルトパーズ

インペリアルトパーズは何と言っても希少なそのゴールドカラーに特別な意味が宿ると考えます。他のトパーズにはないゴールドカラーは富や活動の象徴であり、「気持ちや生命力の活性」、「希望」を表します。これには、ただゴールドカラーだからというだけではなく、前述で紹介した自然色による発色の強さ、色落ちのしにくさも関連していると考えられます。トパーズは「探し求める」という言葉の意味を名前にもつ説があり、自分に必要なものや人物を「探して引き寄せる」とも言われるのは、名前の由来から捉えることもできます。前述のようにペリドットと混同されていたため諸説はありますが、古代より霧の海域にある島をようやく見つけ出し産出した石であることから、「物事の突破」や「ビジョンの明瞭化」、「洞察力の強化」といった意味が含まれると推測できます。

効果のキーワード

  • 活性
  • 希望
  • 探して引き寄せ
  • 突破力
  • 明瞭化
  • 洞察力

お手入れ・浄化

インペリアルトパーズは上記で説明したように、発色が強く色落ちのしにくい「OH-type」のトパーズです。多く流通するブルートパーズよりも紫外線による色の褪色は少ないです。ですが、全く色落ちしないわけではありませんので、長時間の日光浴浄化は避けておきます。割れやすい性質であるため、普段の取り扱いを気をつけると同時に、カボションや指輪などに加工されている場合は、金具の手入れをするときは落とさないように配慮します。浄化方法は、セージ、月光浴浄化、浴水浄化、音叉、水晶さざれの上の置くなどをすれば良いです。

撮影のポイント

インペリアルトパーズの特徴はやはりゴールドカラーの発色です。やや強めの光を当てると、石の影にもその輝きが映ります。できるだけゴールドカラー(黄褐色もしくは橙色の発色)を表現するために、ホワイトバランスを調整します。カメラのメーカーや機種、画像処理エンジンの性能等により操作で行うホワイトバランスの調整は異なりますが、ライブビュー機能が使える機種であれば色味の確認に利用したり、数枚撮ってみて気に入ったものを選んでみます。インペリアルトパーズはクラックの合間からレインボー効果が見られる場合もあり、そのような特徴を狙ってみるのも面白い石です。

同種の石

ブルートパーズ

ごあいさつ

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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