パイライト
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パイライト
英名:Pyrite
和名:黄鉄鉱(おうてっこう)
モース硬度:6-6.5
比重:5前後(水晶が2.7)
パイライトとはどんな石?
淡い黄金色で金属光沢の光る、硫黄と鉄で構成された硫化鉱物の一種です。火山活動により生まれる鉱物で、重量感とアンティークな雰囲気を出す石です。ほのかに硫黄を感じさせる香りがします。その昔は金(gold)と間違えられていたことがあり、耐食性の高い金とは違い、金と間違えて装飾にパイライトを使うと、経年が経つにつれ徐々にパイライトが風化していくことから、金ではないことが分かり、「愚か者の金(fool’s gold)」と呼ばれていました。パイライトと化学構成は同じで性質が異なる同質異像の関係の鉱物であるマーカサイト(白鉄鋼)は、混在して産出されることがありますが、マーカサイトは酸化が進むと色が黒変するため、あまり装飾には使われていません。また、水晶の中にパイライトが含まれたパイライトインクォーツや、パイライトとマグネタイトの複合鉱物ヒーラーズゴールド(アパッチゴールド)、他にもインカローズなどの他の鉱物に母石にパイライトが付いて見つかることもあり、他の鉱物と一緒に見た目もパワーストーンとしても十分楽しめます。この鉱物は原石の形が面白く、直線系の結晶を見ることができ、中にはまるで人工物のようなサイコロ状の原石も存在します。
含まれる成分のお話
パイライトの主成分は硫黄[S]と鉄[Fe]です。硫黄は多くの火山性の鉱物に含まれる物質で、独特の臭気を放ち、天然石では硫黄を含んだ水晶であるレモンクォーツ(スモーキークォーツ加工処理ではないもの)や、硫酸岩塩のサルフォハライト、そもそもサルファーという名称で硫黄原石も流通しています。硫黄は温泉地で有名ですが、ニンニクや人間の爪や髪の毛にも硫黄は微量に含まれます。ニキビの治療薬として硫黄製剤が使用されることや、火薬の原料としても使われています。
性質
パイライトは硫黄を含むため、ほのかな硫黄臭と金物の匂いがします。ヘマタイトと同様に金属質の強い石なので、手に取った時の重量感は同じ大きさの石を持った時とは一味違います。磨き加工が掛かっていれば、パイライトは鏡に利用されていた歴史もあり、金属光沢も美しいものです。その代わり、風化には気をつけないと、アクセサリーやディスプレイとして使えなくなってしまいます。コーティング加工がされていなければ、そのまま置いておくと時間で徐々に風化が進んでいきます。水、塩、汗、油脂などは劣化させる原因となりますので、ディスプレイ用はショーケースに入れて、あまり触れないようにしたり、アクセサリー用は汗などの拭き取りや状態の確認を行う必要があります。また、硫化鉄であるため、直接肌に触れるブレスレットなどのアクセサリーの場合は、肌に対して刺激が強い可能性があります。かぶれなどの症状が出ることもあるため、アレルギー体質であったり、よく汗を掻く季節は着用を控えた方が良いでしょう。
パワーストーンの意味は?
パイライトは原石の形や重量からの安定感と、黄金色がパワーストーンの意味を解くテーマです。金色は華やかさや豊かさを表す色であり、金(gold)そのものは耐食性に優れ、希少性や見た目の美しさ、古くから権力者の装飾品としても使われており、太陽や富の象徴とされてきました。ですが、金は大変高価なため、多量に手頃に入手できるような物ではありません。パイライトは金と間違われて扱われていた時代があり、やや淡い色なものの見た目も似ています。価格も割と安価なため、身近に黄金色を楽しむことができます。そのため、パイライトの黄金色と光沢にあやかって、金運のパワーストーンとして知られています。また、パイライトは直線系の結晶で、私は所持してはおりませんが、サイコロ状の形をした原石が存在するため、安定した形ということで安定の意味を持つと言います。火山性鉱物であるため「火」の要素と、鉄分を含むため「金」の要素を持ち、「火」で魔を焼き、強固な「金」で自身の境界線を強く保つことで邪を入れない、強力な「魔封じ」や「厄除け」の効果があります。パイライトの魔除けの効果は高く、他人や環境との境界線が曖昧になる命式を持つ場合や、危険を伴う作業を行う場合、凶方向の護符などにも有効とされています。もし、アレルギー体質などでパイライトを直接肌に身につけられない場合は、お守り袋に入れて持ち歩く方法や、目の届く場所(机やリビングなど)に設置するのも効果的です。
効果のキーワード
- 金運
- 安定
- 魔封じ
- 境界線
- 厄除け
お手入れ・浄化
パイライトは同種のマーカサイトよりは酸化に強いですが、それでも徐々に風化が進んでしまう場合があります。水や塩での浄化はできるだけ避け、汗をかく時期に直接肌に身に付けるのも、パイライトの劣化を進めたり、アレルギー反応が出たりすることもあるため、避けておきましょう。風化が進んでボロボロになってしまった場合は、手で触れただけで崩壊したりして、洋服など周りのものを汚してしまう場合もあり、その風化状態からは元の状態に戻らないため、石にお礼をし、租塩を添えて自然に返します。浄化は水晶やクリスタルチューナーなどの音叉で行うのが無難です。太陽光は「火」要素の石なので相性が合うと言われますが、若干色に影響する場合があります。
撮影のポイント
パイライトは風化が進んでいたり、擦るとやや粉が出たりします。布製の撮影セットを汚してしまう可能性があり、一度パイライトで汚してしまうと洗濯しても取れにくいです。どうしてもセット汚したくない場合はパイライトを置くところは薄い紙を一枚敷いておくと汚れを防ぐことができます。あとは模様や原石の形状、光沢など被写体のパイライトの特徴を生かして撮影します。
ごあいさつ
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
2018年02月13日記事修正しました。(画像修正)