ムーンストーン

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ムーンストーン

ムーンストーン

英名:Moonstone
モース硬度:6-6.5
比重:約2.5-2.6程(水晶が2.7)

ムーンストーンとはどんな石?

ムーンストーンはパールとともに6月の誕生石であり、光の加減や角度で美しい光の輝きシラー効果が楽しめるファンの多い石です。ムーンストーンのシラー効果はギラギラとした感じではなく、本当に名前の通り月明かりのような神秘性を持つ輝きです。ムーンストーンが属する長石類は実は種類が多く、フェルスパーフェルドスパーと呼ばれる長石は地殻に多く含まれるので、地球上で多く見つかります。長石で考えれば、サンストーンラブラドライトアマゾナイト、アンデシンも長石の仲間です。ムーンストーン自体も、一般的にムーンストーンと呼ばれているシラー効果も白色で地色も白色のホワイトムーンストーンの他に、ホワイトムーンストーンとは対照的な明るいオレンジ色のオレンジムーンストーングレーの地色に白色のシラー効果を持つグレームーンストーン新月を表していると言われる希少で地色が黒色のブラックムーンストーン透き通る透明色や白色の地色から青色のシラー効果を見せるブルームーンストーンなどがあります。ムーンストーンは和名で「月長石(げっちょうせき)」。紀元前からパワーストーンと認知されていた歴史の古いパワーストーンの一種です。もちろん、月にまつわる伝承が多く、様々な願掛けに使われてきました。ちなみに全く違う種類の石ですが、強い白い光沢を見せる硬石膏セレナイト(サテンスパー)と混同されていた時代もあったそうです。
この記事では主にホワイトのムーンストーンをご紹介します。

含まれる成分のお話

ムーンストーンはカリウム[K]を主成分とする正長石(カリ長石)ナトリウム[Na]を主成分とする曹長石(アルバイト)の二つのケイ酸塩鉱物から構成されています。両鉱物とも火成岩や変成岩に含まれます。これらの鉱物が層状になっており、層の間を光が反射することによりムーンストーンのシラー効果を生み出しています。ちなみに、これらの鉱物の主成分のカリウム[K]とナトリウム[Na]は人体に必須のミネラルとして互いに協力し合う成分で、体内の水分バランスの調整や血圧調整に関わっています。

性質

ムーンストーン

シラー効果を示すムーンストーン

ムーンストーンは長石の一種です。他の長石類にはない、肌に張り付くような湿性の感触があります。ブレスレットなどで肌に身につけると、水晶のような冷感はないのに程よい冷たさがある気持ちの良い石です。ムーンストーンは一見繊細そうな見かけをしていますが、モース硬度は6以上とそこそこ硬く、割れにもやや強めです。ですが若干、打痕が付きやすい傾向があるため、強い衝撃は避けたいです。ムーンストーンの個体全てにシラー効果が出るわけではありませんので、購入時はシラー効果が出るか確認してから購入すると良いです。シラー効果がなくても、透明色のムーンストーンや内包物、模様、内部クラックのレインボー効果なども楽しめる石なので、お気に入りを探すのも中々面白い石です。
「シラー効果」とは鉱物の光沢性質であり、ムーンストーンなどの多くの長石類、オブシディアンなどに見られる光学効果の一つです。光が鉱物の間の層に反射をして、石の表面に浮くように現れる変色効果です。

ムーンストーン

透明色のムーンストーン

パワーストーンの意味は?

ムーンストーン

ムーンストーンは神秘性の高い石です。ムーンストーンのシラー効果は古くから人類を魅了してきました。ムーンストーンを手で転がすと、月の満ち欠けを表すようにシラー効果が現れます。夜に月明かりがあれば、ムーンストーンはシラー効果を見ることができるため、夜を見守る月に見立てて「旅のお守り」や「夜道のお守り」として使われていたようです。旅だけではなく、就寝時に悪夢に悩んでいる時、ムーンストーンのブレスレットをつけたり、近くに置いて寝ると、月の見守りのように安眠しやすく、悪夢を見にくくなります
月は女神様の伝説も多く、女性を象徴するシンボルとしても描かれています。そのため、ムーンストーンも「女性性」を象徴し、「感受性」や「受容性」の意味を示します。ムーンストーンの持つ「感受性」や「受容性」は自分の中の女性性を肯定して高め、優しさ穏やかさ慈しむ心を育む効果があるといいます。そしてジューンブライドの6月の誕生石でもあり、恋愛運や結婚運のパワーストーンとしても云われがあります。また、ムーンストーンは願掛けにも多く利用されていました。昔は満月や新月の夜に、小さなムーンストーンを口に含んで願いを唱えることもあったそうですが、実際には思わぬ誤飲の危険があるため絶対にやめましょう。口の前にムーンストーンを持って願いをかけるようにすると良いかもしれません。満月の夜はムーンストーンの力が最大になるという云われは、ムーンストーンが月の満ち欠けによって大きさが変わるという伝承から考えます。電灯が無かった時代に、夜のあかりは月明かりだけでしたので、月の大きさで光量が変わるとムーンストーンに浮かぶシラー効果の見え方にも変化があることから伺えます。
地球を見守る代表的な天体として、昼間の太陽の対として夜の月を表し、陰陽では月は「陰」です。パワーストーンを陰陽で考える場合、ムーンストーンは「陰」の石です。アクセサリーなどで、他のパワーストーンと組み合わせるときにサンストーンなどを多用し「陽」が強すぎてしまった場合は、ムーンストーンを入れて調整を図ることもあります。逆にムーンストーンを組み合わせアクセサリーで使うときは「陰」に傾きすぎないように注意が必要です。

効果のキーワード

  • 受容性
  • 旅のお守り
  • 夜道のお守り
  • 悪夢避け・安眠
  • 満月・新月の願掛け
  • 女性性
  • 感受性
  • 陰陽の「陰」

お手入れ・浄化

ムーンストーンはそこそこ丈夫な鉱物です。衝撃による打痕に気をつければ、お手入れは簡単で、汚れたら水で流せますし、擦れにも強めなので、布で拭いても大丈夫です。浄化方法は、水、日光、音叉、塩など一般的に言われている浄化方法を試すことができますが、ムーンストーンなだけに何と言っても相性抜群なのが月光浴です。古代の人々が月空の下でムーンストーンに願いを唱えていたように、ムーンストーンと月光浴は特別な相性があるようです。特に満月の夜はムーンストーンと一緒に月を楽しみましょう。

ムーンストーンと関連する石

色別のムーンストーン

ムーンストーン

フェルドスパー(長石)

長石

撮影のポイント

ムーンストーンは特徴がシラー効果の石です。なるべくシラー効果の出ている個体、主にビーズなどの丸玉に加工されたムーンストーンはシラー効果を写真に撮りやすいです。シラー効果の出ている気に入った角度で撮ります。ムーンストーンは小さな個体でも、シラー効果がよく出ている個体は輝きが強いので、十分撮影できます。

撮影機材

PENTAX K-70
smc PENTAX-D FA MACRO 100mmF2.8 WR

ごあいさつ

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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