クンツァイト

クンツァイト

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クンツァイト

クンツァイト

英名:Kunzite
モース硬度:6.5-7
比重:約3-3.2(水晶が2.7)

クンツァイトとはどんな石?

クンツァイトはローズクォーツやインカローズと並び、女性に人気のあるピンク色の石です。磨いてあると光沢が強く、飴玉の様な雰囲気を持っています。輝石の一種で、和名を「リシア輝石(リチア輝石)」といいます。1902年に発見された、比較的発見の新しい天然石です。名前の由来は、宝石学・鉱物学博士ジョージ・クンツ博士の名前から付けられた石です。リシア輝石は総じて鉱物名を「スポデュメン(スポジュミン)」といいますが、ピンク色で綺麗なものを「クンツァイト」と呼びます。他には黄色いものは「トリフェーン」、黄緑色もしくは緑色のものは「ヒデナイト」といった名称で呼ばれています。クンツァイトは個体によっては、シャトヤンシー(キャッツアイ効果)を見ることができます。透明色のクンツァイトライラックの様なピンク色の不透明のクンツァイトの両方を見ることができますので、好きな方をお好みで身につけます。質の良いものは宝石レベルで販売されています。

ヒデナイト

黄緑色のスポデュメン、ヒデナイト

含まれる成分のお話

クンツァイトはリチウムを主成分とする石です。リチウムを含む石は、他にはレピドライト(リシア雲母)ピンクトルマリンがあります。ポータブル電子機器の普及した現代で大変お世話になっているリチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池にも使われているあの「リチウム」です。このリチウムは、白銀色でナイフでも切れる軟らかい金属で最も軽い金属。なんと名前の由来はギリシャ語の「石(lithos)」。1817年にスウェーデンの化学者ヨアン・オーガスト・アルフェドソンによってペタル石から発見されました。そのペタル石はクンツァイトを含むリシア輝石などを含む鉱床より産出されます。リチウムは炎色反応は真紅色もしくは赤紫色を示し、その鮮やかさから花火発煙筒にも利用されています。近年、リチウムイオン電池の発火爆発事故が相次いでいます。短絡などの不慮の事柄で大電流を放電することによって過熱して反応が急速に進み発火するというもので、激しく煙を吹き上げ、電池ケースや機器を破壊し、場合によっては発煙筒の様に炎が吹き上がる場合もあります。リチウムという物質は大変便利なものでありますが、扱いに気をつけて付き合いたいものです。

性質

クンツァイトはモース硬度は高めなので擦れにはやや強いですが、特定の方向に割れやすい性質である「劈開性(へきかいせい)」を持つ石です。原石を見ると、筋の様に見えます。本来はあまり装飾品に向かない強度の石ではあります。身につける場合はなるべく強い衝撃を避けたいです。また熱に弱い性質があり、熱による褪色、変質の恐れがあるため、保管場所にも気をつけましょう。比重や質感は、別の種類の石ですがカイヤナイトに似ています。また、ベリルの一種であるモルガナイトは、アクセサリー用に加工されたものは売り場でクンツァイトとそっくりな場合があり、カラーが似ていることから近い場所に置かれていたりするため、値札の名前に注意して購入しましょう。

クンツァイトクンツァイト

クンツァイト原石

パワーストーンの意味は?

クンツァイト

シャトヤンシー(キャッツアイ効果)のクンツァイト

クンツァイトは発見されたのが最近のため歴史の浅いパワーストーンです。ラピスラズリや水晶の様に紀元前から言われている意味はありませんが、ラリマーやスギライトの様に近年発見された石たちは「これからの地球に必要だった」という意味や「警鐘を鳴らすために現れた」、「これから変化する人たちの元に現れた」などの意味合いがあります。クンツァイトは他に見ないピンク色から想像する様に、「女性」や「愛」を連想します。自分に対する愛や許しといった自分に向けた愛の願いはローズクォーツの方が得意だといいますが、クンツァイトはどちらかというと「他者や世界に向けた慈悲の心」「与える愛」の意味合いの方があっている様です。「愛を与える」ことによる、自らの優しさや安らぎの芽生えを教えてくれる石だといいます。おそらく、きつくない優しいピンク色と含まれるリチウムという物質による由来と考えられます。リチウムは、一部の心のお薬として実際に利用されていたり、リチウムの主な工業製品であるバッテリーは機器にエネルギーを与えているので、リチウムが主成分のクンツァイトの意味に当てはめたとも考察できます。

効果のキーワード

  • 慈悲
  • 与える愛
  • 優しさ
  • 感情の安らぎ

お手入れ・浄化

クンツァイトは、特に割れや欠けに注意したい石です。この石の扱いは比較的やや難しいです。アクセサリーとしての利用は、ブレスレットであれば重ね付けはなるべく少なめで、硬くない石のものと一緒に使います。ペンダントであればファスナーの返しなどに注意すれば特には大丈夫でしょう。浄化は、熱に弱いため日光浴は避けます。女性性の高い石なので、月光浴は向きます。水洗いは可能です。

撮影のポイント

クンツァイトはローズクォーツ等とはまた違ったライラック色の石なので、やや色表現の難しい石になります。調整でマゼンダを盛り過ぎると直ぐに嘘っぽい色に変わりやすいので注意が要ります。透明色クンツァイトは、色が薄すぎると厳しいため、なるべく色の濃い部分を探して写します。クンツァイトは飴の様な光沢と色が可愛い石なので、撮影はなるべく表面の綺麗な石を用意したいところです。

ごあいさつ

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

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