セプタリアン
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セプタリアン
英名:Septarian
和名:泥灰岩(でいかいがん)、亀甲石(きっこうせき)
モース硬度:約3-4程度
セプタリアンとはどんな石?
セプタリアンは一見すると何かの生物の卵の化石のように見える面白い石です。このセプタリアンは、ベントナイトという水分をたくさん抱え込む性質を持つモンモリロナイトが主成分の粘土のノジュール(化石や砂粒を核として化学的に濃集して固まったもの)に出来た亀裂に、カルサイト(方解石)という鉱物が着床して長い年月が経ち形成された天然石です。セプタリアンができるまでの過程には、鳥類の祖が誕生し始めた頃である中生代ジュラ紀の約1億5000万年前から始まり、火山による地殻変動、海洋上昇、古生物の堆積などを繰り返す過程を経て形成されています。クリーム色もしくは黄土色の部分がカルサイト、卵の殻のような灰色の部分は石灰岩、茶色の部分はアラゴナイト(霰石)という鉱物で仕切られています。セプタリアンは卵の化石のような見かけをしている特徴から、「竜の卵」、「ドラゴンの石」に比喩表現されています。セプタリアンそのものは卵の化石ではありませんが、古生物が闊歩する時代から形成が始まった、ロマンのある天然石です。
含まれる成分のお話
セプタリアンにはカルサイトとアラゴナイトという鉱物が含まれています。カルサイトとアラゴナイトは成分がほぼ同じであり、結晶構造共に近い関係を持つ石です。このどちらの鉱物も、主成分は「炭酸カルシウム(CaCO3)」です。「炭酸カルシウム」は、大理石や鍾乳石のような有名な鉱物にも含まれます。また、鉱物だけではなく、貝殻や卵の殻、サンゴ、パールなどの生物が由来するものにも含まれます。身近な用途で言えば、黒板に文字を書くチョーク、食品添加物、製紙、錠剤などに使われています。また、漢方で鎮静などに効果を示す「牡蠣」や「竜骨」は、この「炭酸カルシウム」が主成分です。
性質
この石に含まれるカルサイトは硬度3、アラゴナイトも硬度3.5程度であり割れやすい性質を持つ石です。そのため、このセプタリアンは見かけは硬そうな印象ですが、実はやわらかく割れやすい石です。擦れにも弱いため、取り扱いには注意が要ります。模様が美しい石ですが、性質上、ビーズやペンダントトップのようなアクセサリー用に加工されることは少ないです。もともとノジュールなので丸状や楕円状の塊で母石から個体を分離できるため、そしてディスプレイ用に多方面から楽しめるように球型や卵型に磨かれ加工されています。
パワーストーンの意味は?
セプタリアンは多くの地殻変動と生物の歴史を刻む石です。セプタリアンは直接の生物の化石ではありませんが、形成が始まった時代により古生物の化石の持つ「大地のつながり」と「古生物の力強さ」を感じさせる一面があります。ノジュールなので、割ると本当に化石が出てくることもあるそうです。セプタリアンではありませんが、鉱物の展示会などで、ノジュールを割って、三葉虫やアンモナイトを発掘するイベントがあったりします。もともとこの石は地殻変動の過酷な状況で、複数の鉱物が濃集したものというだけあり「繋がり」や「絆」の意味を持ちます。生物に含まれる、炭酸カルシウムが主成分であるため、独特の見かけの割に親しみ感があり、馴染みやすい一面もあります。
効果のキーワード
- 大地
- 力強さ
- 繋がり
- 絆
- 親しみ
お手入れ・浄化
セプタリアン自体は、苦手な要素は特にないとは言われていますが、成分に含まれるアラゴナイトやカルサイトの炭酸カルシウムは水や塩に弱い性質があります。炭酸カルシウムを含むサンゴやパール、貝殻の装飾品の取り扱いでも、塩や水は避けるように注意を促されています。照り、ツヤが損なわれる可能性があるため、できればセプタリアンを浄化の際も水と塩は避けておきたいです。太陽光でも色落ちの原因となるため、月光や音による浄化が無難であるとも言えます。脆い石なので、取り扱いには注意が必要です。ディスプレイとして飾ることが多い石ですが、球状のものが多いため転がさないように注意しつつ、ホコリや汚れがついたらやわらかめの布でそっと拭きます。
撮影のポイント
セプタリアンは何と言っても表面に出る亀甲状の模様が特徴です。「竜の卵」と別名がつくように、球型や卵型に加工されていることが多い石です。卵の殻が割れるような仕切り模様の部分や、カルサイトの部分は半透明に見える部分もあります。自分の気に入った模様の面を選びます。この石は単体で撮ることに美しさもありますが、この石についた別名に掛けて、竜(ドラゴン)や恐竜のフィギュアやぬいぐるみと一緒に写しても楽しめます。好みの問題となりますが、なるべく特徴であるセプタリアンの模様が球状体の端から端までハッキリ写るように被写界深度はやや深めにするのがお勧めです。
ごあいさつ
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
※ 2017年11月6日追記・修正しました。